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家族というはずみ車

     家族というはずみ車

私が今の組織を会社にしたのは、下の子供が高校生の時、ポンと

押してくれたのが大きかったのです。次々と引越しを余儀なくされ、

幾らかの借金もあったので、40歳代で会社設立に不安がともなって

いました。全く形の見えない仕事でもありましたから、子供の一言が

なければ気持よく出発できたものやら怪しいものです。

 それは、『お母さんがやろうとしてることは、社会にとって必

要やと思う。もし、借金ができたら、私ら(夫も含めて)が返すし、

心配せんと、思い切り自分らしくやったらええやんか!』と心強い

言葉でした。もちろん今まで病気の相談に乗ってきた人々の心良い

浄財の申し出もあってのことなんですが、なんの後ろ盾もない私個

人が想いを形にする責任も感じていました。仕事にして出発する時

は意気揚々と始めたのですが、10年以上病気の相談にのってくる

中で、責任の重大さと経済的自立の難しさがひしひしと身にしみて

きた頃でしたから尚の事でした。こんな風に表現すると、応援ばか

りしてくれる家族かと思われるかもしれませんが、なかなかどうし


てシビアないのです。私が仕事の困難さに音を挙げそうになった時

でさえ、容赦はありません。また、末期状態の方のケアで、年末も

正月もなく夜昼の区別もなく走り回っていると、“自分で責任取れ

る範囲もわからんと、自分は夢中になるのはいい気持ちかもしれん

けど私らはお母さんの身体まで面倒見いひんしな!”と一蹴されます。

それでも、やらずにおれない自分の性分も十分承知の上で、やり続

、この厳しくも暖かい家族というはずみ車のおかげなのです。今に

なって思います。優しいだけの家族でなくて良かった。鍛えられ、

まされ、支えられてきたんだなあとしみじみと思うのです。

 責任の重大さと孤独も実のところ私の弾み車です。ブレーク=

打ち破る活力剤=弾み車。抵抗勢力であったり、困難であったり

するのです。それがひいては、私自身の魂を鍛え、仕事の流儀に

反映していると思います。ありがたいことです。
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