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はんなりおしやす あんたは、肩が、悪いなあ  ③

     あんたは、肩が悪いなあ~

 私が、小学校六年生の時、父が交通事故でなくなり、私の6歳の
時から住み込みで働いていた母が、帰ってきました。父の通夜の
日、母の姉(叔母)がやってきてくれ、何くれとなく今後のことや私
たちの将来について、相談をしていました。聞くとはなしに聞いて
いました。
 叔母は『あんたも、よくよく肩が、悪いなあ。利っさんが商売に失
敗して、奉公にやられて、それがまたこんな、早ように死んでしま
われて。四人の子はどないして育てていくんや?』と心配している
のです。母は、『まあ、わての人生こんなもんやろ。子どもらがし
っかりしてるさかい、何とか行けるやろ~』と言うのです。
 なんとのんきな気楽な気性なんだろうと私は、呆れ返っていました
それから私の記憶によると、一度も暗い顔つきや苦しい事情など母
の口からは聞いたことはありませんでした
。兄弟の援助を申し出ることもなく、私たち四人の子を鍛えに鍛えて
、喜三次に愉しそうに育てられたとおもいます。これについては、これ
から順にお話ししていきます
 父がなくなってから、母の真骨頂が発揮されたのかもしれません
。ゆったりと”はんなりおしやす”が現れてくるのでした
     。この続きは、また明日。
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